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自己紹介、と上本達之に関する幾つかの考察

2019/06/10

雑記・備忘録

ブログを移設してまだまだ日も浅いので、
自己紹介を兼ねまして。


上本達之選手のファンです。

正確には、上本達之選手のファンでした。

上本達之ブルペンキャッチャーのファンです。



上本達之選手のファンになった時期は、よく覚えてません。おい。

少なくとも、入団当初から目をつけていて、というわけではありません。
ダルビッシュ投手からホームランを打った時も、パンチ力あるなあくらいの印象だったし、在籍時唯一の地元山口開催のオープン戦も行ったけど、好きな選手の地元開催だから、というわけではなく、単に山口開催という珍しさに魅力を感じて。

ただ、試合を重ねていくうちに、そのひと振りでチャンスをものにする姿をみるうちに、この選手を応援したい、と思うようになりました。応援幕も造りました。





いつぞやのクラシック最終戦の代打逆転ホームランのとき、狂ったように歓喜していたそうです。伝聞の形なのは、頭が真っ白で記憶が無いから。
一番印象に残っているのは、2016年の開幕戦。
代打で迎えたシーズン初打席。

チームの状況からみて、この年がラストチャンスだと思ってました。その初打席。上本達之の野球人生がこの打席で決まる。自分の中で勝手にそう捉えて、信じ込んで、頼むから打ってくれ、と願った打席。たった1打席を、あれほど入れ込んで応援したことはありません。きっと今後もないでしょう。そんな打席で結果を出してくれたことが、まるで自分の思いとシンクロしたようで、本当に嬉しかった。嬉しすぎて、バランスを崩してスタンドでこけました。平地なのに。個人的な上本達之ベストゲームはこの試合です。

この2016年は結果を残したものの、若手の台頭、自身の加齢、監督の交代などもあり、いよいよ厳しい状況になっていきます。

それでも、それだからこそ、ますます上本達之のファンになっていました。

与えられるチャンスは1打席。3回に1回打てばいい競技で、1回で結果を求められる。ひと振りで仕留めなければいけない。次の打席用の種まきなんて、できるわけもない。

そんななか、ファーストストライクから繰り出すスイングに魅了されていました。そのひと振りに、人生が、思いが、魂がこもっているようで。

報われてほしい。結果が出て欲しい。応援することで、少しでもその後押しになってほしい。そう願っていました。


2017年に、春野に行きました。
一軍と二軍の合同キャンプ。当時二軍コーチだった赤田将吾と同時に上本達之を観られる機会はもう無いかもしれない。そう思って訪れました。

室内練習場で、マシンを相手に黙々と振り抜く上本達之の姿を見る機会がありました。

何キロに設定しているのか。唸りをあげて向かってくる直球を、ひたすら打ち返していました。いつ繰り出せるかわからない、試合でのひと振りのために。ずっと眺めていました。報われますように、と祈りながら。


そのオフ、戦力外通告を受けました。

捕手という特性上、粘れば声をかける球団はあったのかもしれません。NPBにこだわらなければ、プロ野球選手でいれたかもしれません。それでも、ブルペンキャッチャーという裏方として、ライオンズに残る選択をしてくれました。とても嬉しかったです。ただ、もう球場に行くときに、上本幕をバッグに忍ばせることはないのだな。そう思うと、やっぱり感じるものはありました。

早速オーストラリア修行同行という初仕事のため、ファンへの挨拶は感謝デーでのビデオレターという形でした。当時は最後選手とハイタッチ、というイベントが設けられていたので、そこで感謝の気持ちとか言えるかな、と思っていたのですが。伝えられないまま、終わってしまうだろうか。


次の年の初め。

栗山選手が、地元の野球少年のために野茂英雄さんと共催しているイベントがあります。この年は前年に引き続き、兵庫県北部は但馬での開催。栗山選手のファンである妻と訪れた前年、但馬の魅力にはまり、この年も行くことを決めていました。栗山選手と仲の良い上本さんは、毎年このイベントの手伝いで同行します。


チャンスかもしれない、と思いました。

ファンとして、応援に関するこだわりとかを持っている方も多いと思います。自分にもあります。むしろ多いかもしれません。それでいて、理解されにくいかもしれません。最後の感謝の伝え方も、その謎こだわりが残っていました。

自分の中で、選手上本達之への感謝はブルペンキャッチャーとしてのシーズンが始まる前に伝えたい。そして最後も、スタンドから、グラウンドにいる選手に伝えたい。そんなよくわからないこだわりを可能にするのは、この但馬が最後だと思いました。

白い布と青い絵の具を買い求め、まっさらな布を前に唸り続けました。長すぎず、それでも自分の感謝を伝えられるような文言。当日を迎えるまで、ずっと考えていました。


イベント当日。


しっかりと今年も来場しているのを確認した後、スタンド席上段に今まで使っていた幕と、今回作った幕を出しました。本来上本達之は関係ないイベントで出すことに、主催者お二方及び参加されている主役の皆さんに罪悪感を覚えつつ、でも今日だけは許してという甘えもありつつ。



スタンドから感謝の思いを出したことで、いちおう、自分の中で完結しました。運よく、どこかのタイミングで、ふとした瞬間に視界に入ればありがたい。そう思いながら、目の前のイベントを楽しんでいました。

イベントも滞りなく終わり、帰り支度を始めていたら、スタンドの方に向かってくるひとりの男性。でけぇな、あのひと。

上本達之さんでした。

状況が理解できていませんでした。横に少しお年を召したご夫婦がいたので、ご両親かしらとか思いました。それ以外に、関係者がスタンドに来る理由がないし。それにしても、やっぱりでけぇな。そして近いな。ていうか、声かけられるよね。でもご両親との会話に横入りしては空気が読め無過ぎではないかい。そんなことを思っていたら。


「今までありがとうございました」


言おうと思っていたことを、先に言われました。

正直、実際頂いた言葉と一言一句違わないかというと、自身は一切ありません。声をかけられた瞬間に、またまた真っ白になっていたので。

ホワイトな自分をよそに、出していた幕の隣で写真を撮り始めるご当人。ようやく目が覚めて、記念に写真を撮らせて頂きました。

写真を撮り終え、少しだけ会話。ありがとうございました、楽しかったです、但馬に来る道中にひたすら考えていた言葉を、つっかえながら届けました。ほぼ挙動不審状態の自分に、笑顔で応対してくださりました。そろそろ時間、というタイミングで、もうひとつ最後に聞きたかったことを。

「ブルペンキャッチャーになっても、幕を出して応援させてもらっていいですか」


笑顔でご了承いただきました。


この瞬間、上本達之選手のファンではなくなりました。



球場に行くときには、引き続きバッグに上本幕をしのばせています。裏方として、ライオンズを支えていく姿を、応援していきたいと考えております。いつまでいられるかわからない、という残酷な現実も理解しながら。だからこそ、応援できるうちに、応援したいと考えております。




長くなりました。


当ブログを書いております、9uniと申します。
上本達之ブルペンキャッチャーのファンです。




駄文ばかりで恐縮ですが、読んでいただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。

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