以下、他記事との重複多数。
変遷重視で各記事を繋げております。
外野芝生席に関する幾つかの考察
開場~人工芝化
天然芝時代
ドーム化前の西武ライオンズ球場開場年の1979年から外野芝生席は存在しており、当初は天然芝でした。そのため、客入りの見込めない平日ナイターや雨天で状態の悪い日など、試合は開催しても芝生席は閉鎖している、ということは多くありました(上段にあるベンチ席は常時利用可)。
閉鎖、と言っても杭とロープで囲っているだけで、老若男女問わずくぐるなりまたぐなりすれば入り込める状態。外野席なので、閉鎖時の試合で無人の芝生席にホームランボールが着弾することもままあり、数人が脱兎のごとく飛び込んできて争奪戦、というのは寅さんが旅先で恋に落ちるレベルで恒例の風景でした。
外野芝生席が無人の光景を記憶しているかどうかはやはり世代で分かれます。
中年の自分は幼少期の記憶としてバッチリ記憶しています。特に無人の外野席でぱっと思い浮かぶのはロッテ戦。応援スタイルを今の形へとちょうど変え始めたころ。人数は少なく芝生席が閉鎖されても上段のベンチ席で充分収まるほど。当時は紙吹雪の使用が許可されていまして、攻撃開始時のコールで撒き散らし、平井のファンファーレで撒き散らし。初回5分で芝生席が真っ白になる、という光景を妙に覚えています。
前述のとおり開放している日がまちまちということもあってか、自分が足を運ぶようになった1990年代のライオンズの応援団は基本的にポール際の内野席に陣取っていたと記憶しています。ちょうど2018年の外野指定席あたり。近鉄・オリックスなどは内野自由席と指定席の境目くらいで応援していたというイメージがありますが、小学生時代なのでちょっと自信なし。
無人の芝生席は、2軍戦だとドーム時代もお馴染みの光景でした。 |
人工芝化
1999年に球場をそのままに屋根部分の設置工事を行い、冬クソ寒く夏クソ暑いアウトドア感覚溢れる自然共存型のドーム球場としてリニューアルします。屋根をつける以上日照による生育が望めないのもあって、半ドーム化していた「西武ドーム球場」時代の1998年を最後に、天然芝の外野芝生席の歴史は幕を下ろします。
半ドーム化でも日照は減少したためか、ラストのこの年はかなり芝生状態が劣悪だったようです。しかもよりによって、というと失礼ですが、ライオンズはこの年リーグ二連覇を達成(ウイニングボールをキャッチした小関がテレビ中継では傘で隠れた年ですね)。当然日本シリーズでは閉鎖するわけにもいかず。芝はものすごい状態だったとか。そこで最期に見せられたのが新谷大炎上という・・・。
椅子席になるのかと思っていたんですが、ドーム元年の1999年に人工芝の外野芝生席としてリニューアル。外野は芝生席、という、近現代のプロ野球フランチャイズ球場としては珍しいスタイルを継続することになりました。
人工芝化と応援の変化
内野Cから外野芝生席を望む(2018年) |
応援席となり、ビジターグッズの持ち込み禁止も明文化されるように |
人工芝化したことで通年の開放が可能になり、応援の中心も外野芝生席に移行。これはビジター側も同様で、対戦相手の応援団はレフト(2009年からはライト)のベンチ席に、一般ファンはその周りに陣取るスタイルに。
特徴的だったのはロッテで、芝生最前列のポール寄りの角を中心に集まるスタイル。当時のビジター側の芝生席は、試合中も空席ならぬ空スペースが充分あったこともあり、応援したいファンがそのエリアに陣取るのでは無く、大半のファンは攻撃が始まる前に集まり、終わると散っていくという流れが生まれていました。これも今思えば動員の少ない自由席時代だからこその光景でした。
ホームであるライオンズも、人工芝化した芝生席で応援スタイルや方法が変化していきました。NPB全体の応援スタイルの変革期と人工芝期がちょうど重なったから、という理由が大きいとは思いますが、それなりのスペースが応援エリアとして明確化されたことも、変化のスピードに少なからず影響したと個人的には思っています。
自分の記憶頼りですが、人工芝時代以降から発生・浸透した応援スタイルだと
- 攻撃中立ち上がっての応援
- ユニホームを着用しての応援
- フラッグの使用
- ゲートフラッグの使用
- 手拍子での応援
- 応援タオル(球団グッズ)の普及
辺りでしょうか。他球団と同時に広がっていったものもあれば、芝生席だからこそ・芝生席で応援しているビジターファンのスタイルを目の当たりにする立場だったからこそのものもありますね。
立ち上がって応援するのが普通になってきたのは00年代半ばでしょうか。だってそれ以前はちょくちょく文句言われてたし
フラッグも本格的にはそれくらい。試運転が2002日本シリーズの配布グッズ在庫処分を兼ねていたから2003以降なのは間違いない ゲートフラッグや幕の初期の規制が120×150という東京ドーム警備員なら卒倒しそうなサイズだったのも、自席の範囲内という設定ができない芝生席だからこそだったかもしれません。客入りも迷惑かけるほど観客が集まる機会が少なかったし。
あんまり芝生席とは関係ないですが、今はお馴染みの応援用タオルってのが普及し始めたのも人工芝時代。ライオンズで本格的に広まったのは増田・高橋朋己のタオルがワンセットな感じで出たあたりではと考えています。選手の登場時にその選手のタオルを掲げるって行為が一般的になったのはこの二人のやつからという印象。特に高橋朋己タオル、引退時の掲出数には驚きました。あんな売れてたのか…。
ちなみに、通年開放後もしばらくは当日券のみの販売でした。
前売で外野席が選択できるようになるのは2006年。
2006年のファンブックより。外野席の前売価格にNEWの文字が。 |
00年代中盤まで当日券のみだったというのは意外でした。開放後しばらくは当日売りのみでも困らない程度の動員だったということですね。2004年なんかは日本シリーズですら空席が多かったからなあ…。
ちょっと余談(ぜんぶ余談ですが)。
指定席化までの諸々
各球場での全席指定化
近年各球団観客動員が好調となり、レギュラーシーズンでも全席指定化が進み一般的となる中、ライオンズは自由席の設定を2018年まで維持してきました。理由はひとつ、芝生席があるから。座席の区切りがない芝生席では席番号の設定のしようがない、という明快な理由で外野席は指定席化されることなく続いてきました。しかし2015年、ちょっと流れが変わる出来事が起きます。
別のイベントで芝生席が指定席に
2015年2月に、アイドルグループ「乃木坂46」さんのライブイベントが開催されるのですが、チケット完売に伴う追加販売措置として、芝生席エリアを指定席として売り出します。
これまで自由席の形態を維持してきた「芝生席だから」という一本槍を、「じゃあ白線とかで区切っちゃえばいいじゃん」とあっさりぽっきり。ちょうどライオンズ戦でも外野芝生席のキャパシティやシートの拡げ方、場所取りの問題などがじわじわと議論され始めた時期だったので、ファン界隈はにわかに盛り上がりました。当時の反響や自分の感想を前ブログで書いておりました→他イベントに学ぶ西武ドーム活用法
他業界にあっさり自分の庭の活用法を指摘された形となった西武球団は、早速同じ2015年シーズンから動きました。「横にラインを引いて前後の間隔の目安をつくる」という地味な形で。
芝にうっすら黒いラインがみえます(写真は2016年) |
ちなみに当時は西武プリンスドームだったのですね。
指定席化まではせずとも参考にした、という恰好。ですが、あんまり目安にしている方は少なかったような気がします。当時の自分の言葉を借りれば、ライン間隔は「バットケースを縦に置いてちょうどぴったりくらい」。
忍び寄る指定席化
結局指定席化の道を選ばなかった西武球団ですが、その間にも外野芝生席の競争率は上昇の一途をたどりました。入場列作成のシート貼り順番抽選も、試合の重要度が増すと激戦状態に。備忘録として、ざっくり抽選の流れを残しておきます。
- 試合後(非開催日は前日夕方)内野席(同球場前広場)に移動し待機
- 外野席の客がはけた後抽選券配布開始
- 抽選実施
- 当選順にシートを入場門前に貼って終了
連戦カード初日は前日に試合がないこともあるので、その際は閑散としたドーム前に抽選希望者が集合していました。警備員の方も休日(?)出勤。改めて考えても労力がかかりすぎてましたね。球団もファンも。
ちなみに、シート貼り抽選は2011年シーズンから始まったみたいです。そうだと過去の俺が言ってます。今年から導入の、と言い切って書いている当時の記事がこちら→【突撃レポート】抽選式入場列作成に行ってみた。それ以前は列作成開始時間が決まっていなくて、翌日の試合のために目の前の観戦からいったん離脱して場外で並ぶ、なんて状態も発生していた記憶があります。
客側が時間と手間を選ぶのは自己判断だから良いとして、球団側としては最も単価の安い客への対応に一番時間と経費を使うという、ドライな目線で考えるとあまりにも費用対効果に欠ける状態でした。トラブルなどが主な理由と思いますが、このあたりも影響している気がします。この点を問題視するのはビジネスとして正しいし。とにもかくにも、近年色々見直しをすべき時期になっていた、というのは言えると思います。
応援指定席の一部設置(2018年)
芝生席の競争激化で生まれたもうひとつの問題が、立って応援したい、というニーズがあぶれはじめてきたということ。西武ドームのルールでは、これまで外野席以外立っての応援が基本的にNGとなっていました。立って応援するには抽選に参加するか、当日朝早くから並ぶか。そうしたとしても、確約はされないという状況。
その打開策として、かどうかは知りませんが、2018年より「外野応援指定席」という席種が誕生します。自軍攻撃中の立ち応援をOKとした椅子席で、レフト芝生席の隣の内野席からポール際までの数ブロックが設定されました。抽選や開門前の並びをすることなく思い切り応援する席を確保するという手段が、ついに用意されたのが2018年でした。
外野指定席にある観戦時の注意書き。中通路も青に色分けされています。 |
外野芝生指定席制時代(2019年〜20年)
そしていよいよ、芝生席を指定席にするという領域に足を踏み入れたのが2019年。
ホーム側に関しては、応援団が上段にいる半分〜ポール側を芝生A、半分〜バックスクリーン側をBと分けて販売。ライトは芝生内での区分はありませんでした(一部試合ではレフト寄りをライオンズ側で販売)。また、芝生上のベンチも合わせて指定席に。
実装後の様子です。以下、指定席化に訪れた際のレポートなので、文体が突然変わって違和感を覚えるかもしれませんが、当時の雰囲気が出るよう極力改変せず流用します。
芝生指定席の様子
LLで始まるゾーン番号がありますが、外野席入口に明示されています。
当然チケットチェックあり。 |
ゾーン番号はコンクリ通路にも記載があります。
内野エリアと一緒になった感じですね。
また、写真はありませんが、芝通路スペース(芝色が違うところ)には、
列番号(チケットの「〇段」)が5段刻みくらいで書いてありました。
肝心の座席区分けはこんな感じです。
靴を簡易カップホルダーにするのは誰しもやるみたい。 |
黒テープのすぐ手前にある銀板に席番号が書いてあります。
ちなみに、個人的に気になっていた、
「前方約20cmは空けて通路用に」というルール。
予想はしてましたが特別厳しくチェックされることはありませんでした。
努力目標みたいなもんでしょーか。
努力目標みたいなもんでしょーか。
これまた予想通り、縦にちょっとだけ引かれた線の長さ。これが約20cm。
最初から横線を約20cmの幅で引けばよかったんじゃと思うのは自分だけですか。
今日は気になりませんでしたが、混雑日はある程度しっかり運営しないと、
特にど真ん中に配置された方々は苦労するんじゃないかなあ・・・。
座るときの敷物は、家にあったこれを使用。
若干オーバーなので少しだけ折って使用。 |
サイズ的にちょうどよく、意外と薄手で持ち運びしやすく便利。
ブランケットは縦に敷いたら土足部分も含めちょうどよかったかも。知人との連番だったので、横のはみ出しは気にせず使ってました。
これは今後も使えそう。
ただオンラインチェックしたら今は売ってないみたい・・・。
実際この姿で観戦はしてませんが、試しに1区画使用のイメージを。
意図伝わらず足が出てます。 |
大人しくしてくれるなら充分なスペースです。
画面右側、スラっと長い我が左足に隠れているのはバッグです。
特に小ぶりでもなく、1日のお出かけに必要なものは充分入るサイズのです。
1大人・1こども・1バッグがピットインできました。
画面右側、スラっと長い我が左足に隠れているのはバッグです。
特に小ぶりでもなく、1日のお出かけに必要なものは充分入るサイズのです。
1大人・1こども・1バッグがピットインできました。
とはいえ、ジュニア会員なら前売300円で1席取れることと、
こどもが3時間大人しくする可能性が天文学的なことを考えると、
取れるならこどもの分もおさえちゃった方が無難。
今回はこども分含め知人と複数枚並びで取りましたが、
ストレスはほぼありませんでした。
ベンチは使用してませんが、試合後空席になったところをチェック。
座席下に空間があり、荷物が置けます。 |
席番の振り方は同じですが、明確な線引きはなし。
途中席番のすぐ横に縦の緑ラインが引かれている席があって、
え、ここが境界線?
うわっ狭っ。狭っていうかもはや細っ。
と思いましたが、ただの補修用養生テープでした。
途中席番のすぐ横に縦の緑ラインが引かれている席があって、
うわっ狭っ。狭っていうかもはや細っ。
と思いましたが、ただの補修用養生テープでした。
…というのが当時の感想。地べたに座る形になるので、一人あたりの面積はかなりゆったりと作られたのが印象的でした。
また、2020年には立見エリア最前列もカウンター席として指定化。
芝生指定席化と応援の変化
一番の変化は幕などのサイズ規制。芝生にも座席幅の概念が導入されたため、規制もそれに準じる形で許可サイズが縮小されました(2020年は70×70)。
また、(場所取りの煩雑さを受け入れれば)応援に力を入れたいファンが、より応援しやすい場所に自然と集まる流れのあった自由席時代と異なり、指定席化以降は購入時に場所が指定されるため、エリアどころかお隣や前後で応援へのテンションがズレている状態に。この点の対策として球団はABの区分けをしたと思いますが、あまり効果はなかった気がします。
そして、過剰席取りという問題点を解消する一方で、混んでいる時は詰めて可能な限り人を入れる、ということもできなくなりました。結果として全体的な人口密度は若干低くなった、すなわちメインの応援ゾーンに集まる人数が減るという状況も生み出しました。
総じて、応援の盛り上がりに関しては悪影響が多かった、というのが個人的見解です。
芝生席改修発表後(2020年最終盤)
そして遂に2020年、芝生席が翌年から姿を消すことが発表されます。
ちなみに新型コロナウイルス問題の影響で、2020年に芝生席が販売されたのはシーズン終盤の僅かな期間にとどまりました。閉鎖中は「青炎フラッグ」と題して、ファン制作の応援幕を公募し掲示。無観客試合の開幕戦からスタートし、外野芝生席開放の少し前まで継続していました。
バックスクリーン側に掲示。V3という字になるよう配置されていました。 |
シーズン終了を待たずして、一部区画では改修工事がスタート。
まだ工期前の9月24日。
10月6日。
立ち入り禁止になり、柵が設けられました。重機がスタンド内に放置されているというシュールな光景。まだまだ準備段階で、芝生自体は販売エリアと同じ状態なのが確認できます。
10月16日。
いよいよ工事現場らしくなってきました。
10月20〜22日。
10月26日。
ここまでは芝生席の形状を一旦更地のようにする作業で、リニューアル後の構造は全く想像できませんでしたが、一気に動き出しました。
ちょうどライト側の工事現場すぐそばに自席があったので、なるべく近くでの確認を試みる。
細長い板のようなものを並べている様子が見えます。ていうかこの数日でここまで進むもんなのか。工事ってある段階過ぎると驚くくらい早く進行してる時ありますよね。マンションとかちょっとの期間近く寄らなくて久しぶりにみたら一気に進んでて建てたっていうより生えたんじゃねえのと思うレベル。
そして最終戦。
わかりやすい変化は感じられなかったので接写はしていませんが、画面左下の状態が、今のところファンが生で視認できた最後の姿です。
この年ライオンズはポストシーズンへの進出を果たせなかったため、このホーム最終戦が、長きに渡る外野芝生席の歴史に幕を閉じた日となりました。2020年11月4日。
外野全エリア椅子席時代(2021年~)
外野エリア改修初年度
新外野エリア概要発表(2021年)
2021年にドーム内外のリニューアルを終えグランドオープン。
それに先立ち、2021年からの外野席はすべて椅子席となることが発表されました。
(発表当時の本ブログ記事)
工事風景で多くの方が予想していたのとさほどズレは無かった印象。
ただ改修計画発表時のイメージは芝生継続だったので、そこからで考えると大きなズレが生じた格好。下の画像だと見にくいですが、芝生席は維持しつつ最上段と通路を隔てる壁やベンチ席が撤去され、フラットな感じで芝生席と外周通路が繋がるようなイメージ図になっていました。
2017年ファン感での40周年事業ブース展示 |
前年からのおおまかな変更点は以下のとおり。
・レフトの座席は外野A・B・Cの三種類
これまでの外野芝生B→外野C
これまでの外野芝生A→外野B
これまでのレフト外野指定→外野A
…という形になりました。芝生席後方にあったベンチ席は廃止。
・ライトの外野エリアが増設
と書くと語弊がありそうですが…。
2020年まで(あくまで表記上)ライトの外野席=ビジターの芝生とベンチのみで、ほかは「内野席」のカテゴリで売られていました。
今回の変更でライトの外野エリアはビジター指定・ライトポールA・Bに。ライトポール席が旧内野席の場所になっているので、レフト側の外野エリアと面積的には対象になりました。
また、この変更でビジターエリアはレフトで言う旧外野芝生Bの位置となり、面積的には縮小。芝生席→椅子席への変更を伴うため、席数的に増減があったかは不明。永らく続いていたビジターの応援エリアにも変更が予想される発表になりました。
・ユニバーサルデッキ(車椅子対応席)を新設
レフト・ライトともバックスクリーン脇最上段にバリアフリー座席を新設。応援エリアでのバリアフリー観戦が可能になりました。
ここまでが2021年1月現在までの変遷です。
新メットライフドームグランドオープン(2021.3.26)
外野席だけでなく各観客席、ビジョンなどの場内設備、球場前広場などひっくるめての大規模改修を行っていたメットライフドーム。無事予定の改修が完了し迎えた2021年春、すでにオープン戦で客入れはしていましたが、2021年開幕日である3月26日をメットライフドームグランドオープン日と銘打って本格運用がスタートしました。
細かい構造などは当時の記事にて記載しています。
…が改めてこちらでも改修初年度の外野エリアの席種を整理してみましょう。
重複ありますがご容赦ください。
2021年以降の外野エリア座席種
「外野指定席」エリア
いや全部外野指定席だろ、というご意見ごもっともです。あえて書いたのには理由がございます。大した理由ではないですので期待されたらそれはそれで困りますが。
2021年の公式呼称に限ると、明確に「外野指定席」と銘打たれているのは以下の4席種。
- ライオンズ外野指定席A(レフト)
- ライオンズ外野指定席B(レフト)
- ライオンズ外野指定席C(レフト)
- ビジター外野席(ライト)
後述しますが、この4種類は応援エリアとしての外野席の性格を継承しています。
レフト側はA、B、Cに分割されており、料金も異なります。
ライトから見るレフト外野席 |
レフトポール際から見るバックスクリーンから両翼 |
Cがバックスクリーン寄り、Bがいわゆる左中間、Aがポール付近といった形での三分割。料金は基本C<B<A。以前まであったベンチ席は無くなっていて、それに伴いこのエリアにおいて座席の前後は席種による区別も無くなっています。
座席の構造はどれも同じで、他の椅子席とは違い造りが簡素な代わりに立ち上がって椅子が閉じた状態でのスペースが広めにとられています。
また座席の説明文をみると、球団としては応援中心地をB、次いでA、応援したいファミリー層をCと棲み分けさせたいという意図が感じられます。
ちなみに応援中心地にしたいBに関しては、ファンクラブジュニア会員のこども前売料金300円の設定がどの価格帯にも存在していないなど、かなりしっかり棲み分けさせたかったと思われます(Cは全価格帯前売300円、Aは最高価格帯を除く3価格帯で前売300円設定あり)。
応援の点での違いとしては、B,Cはゲートフラッグの使用が可能ですがAは不可になっています。ここまでの流れで行くとBとAになりそうですが、そういうのを前で掲げられるのを好まない人が気兼ねなく応援できるエリアとしてAを残した…のかもしれません。ちなみに応援幕サイズ規制は2021年より60cm四方で全エリア統一になりました。
以上のように球団の応援に対しての意向がかなり濃く出た設定だったのですが、あいにく2021年では実際に意向どおりの形になったかは判断しきれず。というのも、2021年は結局新型コロナ化の影響で最後まで通常の客入れ・通常の応援ができずじまいとなってしまったのです。
一方のビジターは1席種。過去の流れでいくと、レフトのA~C全部ひっくるめたゾーンのライト側がすべてビジター席だったのですが、ついに常設の形でライトのごく一部に限られるようになりました。
場所はレフトCの位置。バックスクリーン横です。各球場たいていビジター席は外野席エリアの真ん中かポール寄りに設定している印象があったので、初見ではこの位置設定に結構驚きました。
ただ考えてみれば、横がバックスクリーンなので席を潰さずとも片側の境界線に緩衝地帯ができていることになるので、理にはかなっているかも。ライトポール側の境界に緩衝地帯ができるのかとか、チームごとのキャパの過不足はどうとかはわからず。これも上記同様の理由でビジターファンの応援活動が実施されなかったことに起因します。
新設・ライトポールシート
ビジターエリアがライトの一部ということで残りの部分がどうなったか、という話になりますが、新たに新席種として設定されました。その名も「ライトポールシート」。AとBの2席種があります。その名のとおり、できれば上本氏にはフェンスよりもこっちを狙ってくれねえかな、と思いつつ歌ってたでお馴染みのライトポール付近にあるシート。
…といいたいところですが、数行前で書いたとおり
ライトスタンドからビジター外野席(レフト外野Cのライト側部分)を引いたあとの残りの部分=ライトポールシート
なので、つまりは
ライトポールシートA・B=レフト外野A・Bのライト側部分となります。
そう、レフト外野Aの対称の位置に当たるAこそまさしく「ライトポールシート」なのですが、B。もうこの位置は、購入した座席位置によってはもはやポール際ではなく佐藤隆彦氏に長年狙わせ続けた左中間の対称の位置でお馴染みのあの右中間。
画面左端くらいがAとの境界。かなりA寄りのB。 |
この座席の手前半分かそれ以上がB。 |
芝生席時代を知るビジターファンの方にとってはポールBが一番馴染みがある位置かもしれません。上の画像の1枚目とか、マリーンズの中心エリアだったところですね…。関係ないけど隆彦氏の最初の応援歌の歌詞で狙撃ポイントになってたのは場外だったんですがそのあと左中間に変わったのは期待度下がったのか応援する側が冷静になったのかでもまあ黄金期は地平線とか地球からの脱出とか銀河の果てのブラックホールとか狙えって言ってたことを考えれば場外の要求は消極的ですらある
また、ライトポールAはここまでの席種と異なり椅子が内野席に採用されているゆったりタイプになっています。
あと、ライトポールA、Bはホームビジター双方のファンが利用可能となっています。ライオンズのユニホームでも、ビジターのユニホームでも着用して観戦可能。
また、応援メインの席だったここまでの席とは違い、ライトポールシートはいずれも基本立ち応援というアナウンスはされていない席となります。立ち上がっての応援は「十分配慮の上で」、と禁止自体はされていませんが、観戦の妨げとなるようなら座るよう声掛けされることもあるとの表現。ガラガラの日はともかく、ある程度の客入りが見込まれる日は着席観戦前提で購入を検討すべき場所と言えそうです。
新設・メイトーホームランバーパノラマテラス
こちらは完全に新設で、ライト側の元外野ベンチ席エリアにテラス席が設置されました。初年度よりメイトー様協賛でネーミングにホームランバーの名が入っています。数年後にはテーブルマークホームラン軒パノラマテラスとかなったりしないでしょうか。
リニューアル後のスタンドでいうと前述のライトポールシートB後方。なので厳密にはレフトとライトは構造上非対称になりました。
バーテラスを最上段から。奥まで続くテラスでポールBの範囲もわかります。 |
別角度から。 |
開場後ここで観戦しましたが、個人的には外野エリアの席種では一番快適でした。同感の方が多いのか知りませんが、一年間通じて競争率は高かった印象。観戦ルールはライトポールシートと同様双方のファンが観戦可能。
新設・ユニバーサルデッキ
私はすでに多くのレスラーを確保したでお馴染み。
分かる人だけわかれば…。いるかな…。
レフト側(ライオンズユニバーサルデッキ)ならC、ライト側(ビジターユニバーサルデッキ)ならビジターの最後列一部に、バリアフリー区画を設け車椅子の方も観戦できるようにデッキを新設。どちらも応援席としての販売なので、レフトならライオンズファン、ライトならビジターファン専用です。バリアフリーの区画はたいてい用意されていますが、ここまで応援を意識した席種として用意するのは珍しいかも。
パイプ椅子のような折り畳みできる椅子と、ちょっとしたカウンターつき。ちなみにまずは車椅子観戦の方優先で販売し、販売後一定期間で完売しない場合は3枚1組の形で車椅子観戦の方以外にも販売されるとのこと。
ちなみに応援席ではないゾーンでももちろん観戦は可能。
詳しくは↓
(ライオンズ公式)
※2021年11月13日時点で本文ここまでです
0 件のコメント:
コメントを投稿